小型犬を抱き上げるとき、手をどこへ入れ、下ろすときはいつ離せばよいのでしょうか。ここでは、胸と骨盤を両手で支える方法を、同じ犬・同じ手の連続図で追います。対象は、健康状態に不安がなく、大人が両腕で無理なく支えられる犬の日常場面です。抱っこを好きにさせる練習や、痛みの原因を見分ける記事ではありません。始める前の反応と、下ろし終えるまでの支えを一緒に確認しましょう。
始めてよい?途中で嫌がったら?
持ち上げる前なら無理に進めず、抱えている途中なら支えたままゆっくり下ろします。 空中で手を離すことを「中止」と考えないでください。
| 今の段階・状況 | 次にすること |
|---|---|
| 手を近づけると後退する、不安そうにする | 持ち上げず、その場の試みを終える。追いかけて抱かない |
| 両手で支えても落ち着いている | 無理なく支えられる範囲で、低い位置から短く行う |
| 抱えている途中で嫌がる | 胸と骨盤の支持を保ち、ゆっくり床へ戻す。四肢が着いた後に手を離す |
| 痛み・けが、急な嫌がり方の変化がある | 試しに抱き直さず、獣医師へ持ち方も含めて相談する |
| 術後、寝たきりの介助、緊急搬送が必要 | この一般手順を使わず、動物病院へ個別の扱い方を確認する |
| 強い抵抗や咬みつきの心配、支えきれない体格 | 家庭で持ち上げる練習を始めず、獣医師等に相談する |
この表は診断表ではありません。見た目だけで痛みがないとは判断できません。症状や急な変化が気になる場合は、動物病院へ相談してください。 嫌がる動作を繰り返して確かめる必要はありません。
後退や不安があれば止める方針はDogs Trust、接地後に離す順序は博多犬猫医療センターの案内に基づきます。段階ごとの書き分けは、その方針と両手の支持を両立させるための整理です。
手はどこへ置く?胸と骨盤側を両手で支える
たかつきユア動物病院は、胸と骨盤を両手で支え、犬の横から水平に持ち上げる方法を説明しています。この記事もこの方法にそろえ、途中で片腕に載せ替える方法は扱いません。
胸は胴体の前側にある胸の骨の部分、骨盤は後ろ脚の付け根側にある骨格です。前脚や脇だけをつかむのではなく、胸の下と骨盤側の下をそれぞれ支えます。柔らかいお腹だけで持ち上げる位置と取り違えないようにします。
図は出典の文章をもとにPawlovが作成した説明図です。出典元の実演写真の再現や、獣医師の監修を受けた図ではありません。体格により支えやすさは異なります。図だけでは位置が分からない、両方を同時に支えにくい場合は、実際の愛犬に合う持ち方を獣医師等に確認してください。
どの順で上げ下ろしする?同じ手で追う4コマ
滑りにくい床で、周囲の物を片づけ、下ろす場所を空けます。大人が犬の横で膝を曲げ、無理なく支えられる位置へ近づきます。Dogs Trustも滑りにくい足場と、体に近い位置での支持を案内しています。
初めから高く持ち上げたり、長く抱えたりする必要はありません。 受け入れられる場合に、床からわずかに離す低い位置で短く行います。4コマは上げ下ろしの順序です。持ち上げ前に嫌がる犬へ、全コマを続けて実行する指示ではありません。一度持ち上げたら、支持を保って接地まで戻します。
1. 合図をして、胸と骨盤側を支える
「抱っこするよ」など、毎回同じ言葉で予告します。胸の下へ右手、骨盤側の下へ左手を入れ、両方を支えます。手を近づけた段階で後退する、不安そうにするなら持ち上げません。
2. 両手の支持を保ち、低い位置へゆっくり上げる
同じ2か所を支えたまま、背中を床と平行に保ちます。愛犬を自分の体から離さず、ゆっくり持ち上げます。胸側だけを上げたり、後ろ側の支えを抜いたりしません。
3. 支えたままゆっくり下ろし、四肢の接地を確認する
両手で支えながら、ゆっくり床へ戻します。前脚だけを着けて手を離さず、前脚2本と後ろ脚2本が床に着いたことを確認します。抱えている途中で嫌がったときも、支持を維持してこの順序で下ろします。
4. 四肢が床に着いた後で、手を離す
接地を確認してから、支えていた両手を離して終えます。抵抗が収まるまで抱え続ける練習にはしません。途中で嫌がったなら、その場で抱き直して繰り返さないでください。
迷ったまま繰り返さず、何を相談する?
手の位置が合わない、両手で支えるのが難しいときは、図の姿勢へ無理に合わせません。動物病院へ「胸と骨盤側をどの位置で支えるか、下ろすときまで支えられるか」を確認します。
痛みや急な変化、強い抵抗がある場合は、その場のやり方の修正だけで解決しようとしません。「いつから」「近づく・触る・上げるのどの段階で変わったか」を、すでに分かる範囲で伝えます。記録のために嫌がる場面を再現しないでください。
接触そのものが苦手な場合は、ブラッシングを嫌がる犬への接触の導入も参考になります。ただし、そこでの「手を離して中断する」は、足が床にある手入れの場面です。抱えている途中へ置き換えず、この記事の接地までの順序を守ります。
よくある質問
小型犬なら、どの犬でもこの方法で抱けますか?
小型犬という呼び方だけでは決まりません。体格、体調、大人が無理なく支えられるかで変わります。痛み・けが・術後などは一般手順の対象外です。寝たきりの介助や緊急搬送も、動物病院へ個別に確認してください。
子どもにも同じ図で教えればよいですか?
この記事は大人が両腕で支える場面を対象にしています。子どもが一人で実行するための手順には使わないでください。
散歩で止まったら、すぐに抱き上げますか?
この手順を知っていても、抱き上げる判断とは別です。歩かない理由を決めつけず、散歩を嫌がる・歩かないときの確認と相談へ。痛みや急な変化が気になる犬を、試しに抱いて確かめないでください。
出典・確認日・免責
- たかつきユア動物病院:犬の抱っこの仕方:胸と骨盤を両手で支え、横から水平に上げ下ろしする主支持法。疾病予防や年齢に関する断定は本記事に採用していません。
- 博多犬猫医療センター:犬の抱え方:ゆっくり下ろし、四肢の接地を確認した後に離す順序。同資料の片腕で包む方式は、この連続図には混ぜていません。
- Dogs Trust:How to properly pick up your dog:合図、滑りにくい床、体に近い位置、低く短い導入、後退や不安への対応、体調不良・けが・術後の個別対応。
- 日本レスキュー協会:抱っこの仕方:合図、体に寄せる、ゆっくり上下する点の補助参照。怪我や災害時の搬送手順として一般化していません。
2026年10月29日確認。本記事は一般的な情報で、獣医師の診断・治療の代替ではありません。Pawlovの記事と説明図は、獣医師の個別監修を受けていません。左右の手の割当てとコマ分けは説明のための編集設計です。図は実在の犬の症例や改善経過を示しません。