「おいで」と呼んでもこちらを見ない、近くまでは来るのに離れてしまう。何度も声をかけたくなりますよね。呼び戻しは、静かな室内で、短い距離から呼び、そばへ来た直後に褒めることから始めます。この記事では、準備と教え方、来ないときに見直す点を紹介します。上達しても、呼び戻しはリードや囲いの代わりにはなりません。出入口を閉め、外へ出られない場所で練習しましょう。

「おいで」で来ないとき、何を変える?

今の様子次にすること
名前を呼んでも別のものを見ている周囲の刺激を減らし、近くで注意が向く場面を選ぶ
こちらを見るが、戻ってこない距離を縮め、愛犬が喜ぶご褒美を用意する
近くへ来ても、すぐ離れる到着した時点で褒め、ご褒美を渡す
家では来るが、外では来ない屋外で試し続けず、室内の簡単な練習へ戻る

この表は、Dogs TrustとBatterseaの手引きを、家庭で見直す順番に整理したものです。原因を診断する表ではありません。

急に呼びかけへの反応が変わった、痛そう・元気がないなど普段と違う様子がある場合は、練習を進める前に動物病院へ相談してください。

始める前に、何をそろえればいい?

場所・合図・ご褒美を決めると、家族で同じ教え方を続けやすくなります。

  • 場所:慣れた室内で、出入口を閉めます。人の出入りや他の犬の遊びが少ない時間を選びましょう。
  • 合図:「おいで」など短い言葉を一つ選び、家族でそろえます。「こっち」「早く」などを次々に重ねません。
  • ご褒美:愛犬が喜ぶ食べ物や、好きなおもちゃでの遊びを用意します。呼ぶ前に手元へ準備しておきましょう。

名前は注意を向けてもらうため、「おいで」はそばへ戻る行動の合図として使います。Dogs Trustは、名前への反応を確認してから呼び戻しの合図を加える方法を案内しています。名前を呼んでも向かない場面で、続けて「おいで」を重ねる必要はありません。

新しいフードやおやつの購入は前提ではありません。食べ物を使う場合は、練習分も一日の食事に含めて考えます。量の考え方は犬のおやつはどのくらい?へ。療法食や食事制限がある場合は、ご褒美に使えるものを獣医師へ確認しましょう。

室内では、どう教える?

注意が向いたところで、短く呼ぶ

愛犬の近くに立つか、無理のない姿勢でしゃがみます。名前を呼び、こちらへ注意が向いたら、明るい声で「おいで」と伝えましょう。大声にする必要はありません。Dogs Trustの手引きでは、合図とともに少し後ろへ動き、犬が近づくきっかけを作ります。

来ないときは、同じ場所から呼び続けず、距離や周りの刺激を見直します。首輪やリードを引いて、そばへ連れてくる練習にはしません。

そばへ来たら、その場で褒める

到着した直後に、褒めてご褒美を渡します。 戻ってきてから袋を探すと、渡すタイミングが遅れます。まずは「そばへ戻る」ことを練習し、到着後に別の課題を次々と足さないようにしましょう。

飼い主のそばへ来たシェットランド・シープドッグが、口元の高さで小さなご褒美を受け取る
ご褒美は呼ぶ前に準備し、そばへ到着したときに渡します。説明用の生成イメージです。

Batterseaは、戻った直後の報酬を勧めています。呼ぶのが遊びを終えるときだけにならないよう、戻って褒めた後、また遊べる機会も作りましょう。「戻ると楽しいことが終わる」という経験ばかりにしない工夫です。

いつ、距離を広げればいい?

近くからの合図で落ち着いて戻れるようになったら、同じ室内で、少し離れた位置から試します。いきなり別の部屋へ隠れたり、人が出入りする場所へ移ったりせず、愛犬が戻れる条件を確かめながら進めましょう。

閉じた室内で、間に障害物のない距離を空けて向かい合う飼い主と同じ犬
まずは慣れた部屋のまま、呼ぶ位置を変えます。距離と周囲の刺激を一度に増やさないための配置例です。

Batterseaは、合図を理解して戻れるようになってから刺激を加える順序を示しています。難しくなったら、できていた近い距離へ戻しましょう。練習を長く続けて成功を迫るより、短く区切って繰り返します。

「家で来たから、散歩でもリードを外して試す」とは考えないでください。RSPCA Australiaは、呼び戻しができる犬でも、道路など危険な場所ではリードを外さないよう注意しています。場所の利用規則と安全管理を優先し、囲いのない屋外や人・他犬の近くで長いリードを伸ばす練習も避けます。

練習がうまくいかないときは?

つまずきやすい点やり直し方
「おいで」を連呼してしまう呼び続けるのをやめ、静かな場所・近い距離へ戻す
戻るのが遅く、叱りたくなる戻ってきた行動を褒める。次回は来やすい場面で呼ぶ
ご褒美に関心を示さない場所やタイミングを見直し、好きなおもちゃでの遊びも検討する
帰るとき・遊びをやめるときにしか呼ばない戻って褒めた後、また遊べる機会を作る

RSPCA Australiaは、合図の反復や戻らなかったことへの罰を避けるよう勧めています。反応がないまま練習を続けず、その日は切り上げてもかまいません。

まずは「同じ部屋の近い位置なら来るか」を確かめましょう。簡単な条件でも進まない、近づくと逃げる、対応に不安がある場合は、報酬を使う方法を採るトレーナーへ相談してください。体調や急な行動変化が気になる場合の相談先は獣医師です。

よくある質問

名前と「おいで」は、同じ意味で使っていい?

名前で注意を向けてもらい、戻る合図を続けると、何をしてほしいかをそろえやすくなります。家族でも同じ言葉を使いましょう。

おやつを食べない犬は練習できない?

好きなおもちゃでの遊びも報酬になります。食べ物だけにこだわらず、愛犬が喜ぶものを探します。新たな食べ物を無理に食べさせる必要はありません。

何日で覚える?

一律の日数は示せません。日数で難しくするより、今の距離や環境で戻れるかを目安に進めます。できていた場面でも、周囲の変化に応じて簡単な練習へ戻しましょう。

出典・免責

以下の動物福祉団体の行動・トレーニング資料を参照しました。確認日:2026年10月23日。

本記事は一般的な情報で、獣医師の診断・治療の代替ではありません。個別の犬への訓練指導や、獣医師による記事監修を受けたものではありません。反応の変化や体調が気になる場合は動物病院へ相談してください。画像は説明用の生成イメージで、実在犬の練習成果を示すものではありません。

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