犬の手作り食・生食(BARF)計算
体重から%体重法(体重の2〜3%)の1日量を計算し、肉・骨付き肉・内臓・野菜の 構成からカルシウム:リン比(Ca:P比)とカルシウム量の過不足を概算でチェックします。 手作り食・生食をすすめるためのツールではなく、いまの(検討中の)構成の 問題点に気づくためのツールです。
1体重
2ライフステージ・健康状態
3食材構成(重量比)
いま与えている(検討している)配分を重量比で入力してください。初期値は生食(BARF)で例示されがちな配分の入力例で、当サイトが推奨する配分ではありません。
合計: 100%
魚・卵・乳製品・穀類・サプリメントなど4カテゴリ以外の食材は、この概算に含められません。
1日量の目安(%体重法)
100〜150g
体重の2〜3%。生食・手作り食で慣用される経験則で、科学的に検証された給与基準ではありません。
肉(筋肉)(70%)
70〜105g
骨付き肉(10%)
10〜15g
内臓(10%)
10〜15g
野菜(10%)
10〜15g
%体重法は個体のエネルギー要求やレシピのカロリー密度を反映しません。カロリー(kcal)ベースの目安と必ず突き合わせてください。
カルシウム:リン比の概算(骨付き肉の部位でレンジ)
0.35〜0.60 : 1適正範囲 1〜2:1(FEDIAF 成犬)
カルシウムがリンに対して不足しやすい構成です。BARF実践家庭95食の分析でも、1割はカルシウムが推奨量の25%未満(Ca:P比0.6:1未満)でした。
カルシウム量の概算(乾物100gあたり)
0.32〜0.69 g推奨範囲 0.5〜2.5g(FEDIAF 成犬)
部位・レシピによっては最小推奨量(0.5g/100g乾物)を下回ります。
⚠️ この概算はカルシウムとリンだけを見ています。2つの判定が範囲内でも、栄養バランス全体が整っている保証にはなりません。BARF実践家庭95食の分析では、60%に何らかの栄養素の過不足がありました(亜鉛・銅・ヨウ素・ビタミンA/Dなど)。主食にするなら、レシピ全体の設計をかかりつけの獣医師や栄養の専門家に相談してください。
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表示は動物病院で健康上の問題がないと確認できている成犬向けの概算で、獣医師による診断・食事設計の代わりにはなりません。生の肉・骨には病原体(サルモネラ等)のリスクがあり、米国獣医師会(AVMA)は犬猫への生肉給与を推奨していません。
材料をグラムで量って配分を再現する
PR計算した配分は、材料をグラムで量ってはじめて意味を持ちます。目分量だとカルシウム:リン比の前提になっている重量比そのものがずれます。価格や在庫は変動するため、購入前に各販売ページで最新情報をご確認ください。
計量器は栄養バランスを保証するものではありません。サプリメントは処方された製品の剤形と指示された計量方法に従い、家庭用のはかりで微量を自己調整しないでください。レシピの設計はかかりつけの獣医師にご相談ください。
%体重法とは(と、その限界)
%体重法は「1日に体重の2〜3%の重量を与える」という、生食(BARF)・手作り食のコミュニティで 広く使われる計算法です。英国ケネルクラブも目安としてこの割合を示しています。ただし、この方法は科学的に検証された給与基準ではありません。生食の給与量に関する公開された推奨は、査読を経ていない意見ベースであると 獣医学のレビューは指摘しています。
%体重法は犬の年齢・活動量・避妊去勢の有無や、レシピのカロリー密度(脂肪の多さ等)を いっさい反映しません。同じ体重でも必要なカロリーは犬によって大きく違います。 %体重法の数字は出発点にとどめ、フード給与量計算ツール(kcalベース)の目安と突き合わせたうえで、2〜4週間ごとの体重・体型(BCS)の変化で調整してください。
なぜカルシウム:リン比を見るのか
肉や内臓はリンが多く、カルシウムがごく少ない食材です(例: 鶏むね肉100gあたり カルシウム4mgに対しリン220mg)。そのため、カルシウム源を設計せずに肉中心の手作り食を 与えると、Ca:P比はFEDIAFが示す範囲(成犬で1:1〜2:1)を大きく下回ります。 カルシウム不足は公開レシピの分析でも繰り返し確認されている、手作り食の代表的な問題です。
一方で骨付き肉のカルシウムは部位差が大きく(鶏の骨付きもも・手羽・首の実測で2倍以上)、 骨の与えすぎによる過剰も実際に報告されています。だから本ツールは、 1つの数字で断定せず、部位による幅を持たせたレンジで概算し、比だけでなく カルシウムの量(乾物あたり)もあわせてチェックします。
重要: Ca:P比とカルシウム量は、栄養バランスのチェック項目の一部にすぎません。2つとも範囲内でも、亜鉛・銅・ヨウ素・ビタミンA/Dなどの過不足は分かりません。レシピ全体の設計は獣医師・栄養の専門家との相談が前提です。
このツールの使い方
- 体重を入力します。
- ライフステージと健康状態を選びます(子犬・妊娠授乳中・持病や療法食がある場合は、 計算せず受診案内を表示します)。
- いま与えている(または検討中の)食材構成を重量比で入力します。初期値は入力例で、 推奨の配分ではありません。
- 1日量の目安(g)と内訳、Ca:P比・カルシウム量の概算判定が表示されます。
- 判定が範囲外・要確認の場合はもちろん、範囲内でも、主食にするならレシピ全体を 獣医師・栄養の専門家に確認してください。
よくある質問
- 犬の手作りごはんは1日何グラムあげればいい?
- 生食・手作り食のコミュニティでは「1日に体重の2〜3%」という%体重法が広く使われており、本ツールもこの経験則で目安を計算します(10kgなら200〜300g)。ただしこの方法は科学的に検証された給与基準ではなく、犬の年齢・活動量やレシピのカロリー密度を反映しません。カロリー(kcal)ベースの計算と突き合わせ、2〜4週間ごとに体重と体型(BCS)を確認しながら調整してください。
- 犬のカルシウムとリンの比率(Ca:P比)はどれくらいが適正?
- FEDIAF(欧州ペットフード工業連合会)の栄養ガイドラインは、成犬でカルシウム:リン比 1:1〜2:1 を範囲としています(成長期の子犬はより狭い範囲が求められます)。肉や内臓はリンが多くカルシウムがごく少ないため、カルシウム源のない手作り食では比が大きく1:1を下回るのが普通です。なお、Ca:P比が範囲内でも、亜鉛・銅・ヨウ素・ビタミン類など他の栄養素が足りている保証にはなりません。
- 骨付き肉を入れればカルシウムは足りますか?
- 部位と量によって、不足にも過剰にもなりえます。実測研究では、鶏の骨付きもも・手羽・首でカルシウム含量に2倍以上の差がありました。またドイツのBARF実践家庭95食の分析では、1割はカルシウムが推奨量の25%未満だった一方、骨の与えすぎによるカルシウム過剰も報告されています。骨は歯の破折や消化管の閉塞・穿孔の原因にもなりえます。骨を含む食事は自己判断で始めず、獣医師に相談してください。
- 生食(ローフード・BARF)は犬の体に良いのですか?
- 生食が市販の総合栄養食や加熱調理食より健康に良いことを示した質の高い証拠は確認されていません。一方で、サルモネラなどの病原体のリスクは実測調査で繰り返し報告されており、米国獣医師会(AVMA)は犬猫への生または加熱不十分な動物由来タンパク質の給与を推奨しないという方針を示しています。本ツールは生食をすすめるものではなく、検討中・実践中の構成の問題点に気づくためのチェックとして提供しています。
- このツールの判定が「適正範囲」なら、そのレシピで大丈夫?
- いいえ。本ツールが概算するのはカルシウムとリンだけで、しかも食材カテゴリの代表値による概算です。手作り食で不足しやすい亜鉛・銅・ヨウ素・ビタミンA/D・必須脂肪酸などは判定できません。BARF実践家庭95食の分析では60%に何らかの栄養素の過不足がありました。手作り食・生食を主食にする場合は、レシピ全体の設計をかかりつけの獣医師や栄養に詳しい専門家に相談してください。
ご利用にあたって
本ツールの表示は、動物病院で健康上の問題がないと確認できている成犬を前提とした 概算の目安であり、獣医師による診断・食事設計の代わりにはなりません。 手作り食・生食は総合栄養食の代替として設計されたものではなく、栄養バランスの設計が 伴わないと健康上の不利益につながる可能性があります。子犬・妊娠授乳中・持病がある犬・療法食を処方されている犬・除去食試験中の犬では、 自己判断で食事を変えないでください。 また、生の肉・骨にはサルモネラ等の病原体のリスクがあり、米国獣医師会(AVMA)は犬猫への生肉給与を推奨していません。食欲低下・嘔吐・下痢・便秘・意図しない体重変化があるときは、 食事の工夫を続けず、すみやかにかかりつけの動物病院にご相談ください。
あわせて読みたい
- 犬の手作りごはん・フレッシュフード|栄養の注意点と選び方 — 手作り食の難しさの根拠(レシピ分析研究)・市販フレッシュフードの選び方・衛生管理を出典付きで整理
- 犬の必要カロリーの計算方法 — %体重法と突き合わせたい kcal ベースの考え方(RER・DER)
出典
1日量(体重の2〜3%)・Ca:P比とカルシウム量の基準・食材の栄養値・安全上のリスクは、 以下の情報にもとづいています。計算結果は食材カテゴリの代表値による概算で、 実際のレシピの栄養価を保証するものではありません。
- FEDIAF(欧州ペットフード工業連合会)Nutritional Guidelines(2025年9月版) — 成犬の Ca:P 比の適正範囲(最小 1:1・最大 2:1。成長期はより狭い)と、成犬のカルシウム推奨量(乾物100gあたり最小 0.5g・栄養学的上限 2.5g)
- The Kennel Club(英国)「Is raw food good for dogs?」 — %体重法の目安(成犬で1日あたり体重の2〜3%)
- Freeman LM, Chandler ML, Hamper BA, Weeth LP「Current knowledge about the risks and benefits of raw meat-based diets for dogs and cats」J Am Vet Med Assoc 2013;243(11):1549–1558 — 生食(RMBD)の給与量推奨が査読を経ていない意見ベースであること、骨による歯の破折・消化管の閉塞や穿孔のリスク(犬猫の食道異物の30〜80%が骨)、「生の骨は加熱した骨より安全」という主張が検証されていないこと
- Dillitzer N, Becker N, Kienzle E「Intake of minerals, trace elements and vitamins in bone and raw food rations in adult dogs」Br J Nutr 2011;106:S53–S56 — 骨付き肉(鶏の骨付きもも・手羽・首)のカルシウム・リン・乾物量の実測値(Table 1)と、BARF 95食の分析結果(60%に1つ以上の栄養素の過不足、10%はカルシウムが推奨量の25%未満で Ca:P 比 0.6:1 未満、骨によるカルシウム過剰も発生。不足しやすい栄養素として亜鉛・銅・ヨウ素・ビタミンA・ビタミンD)
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」 — 肉(鶏むね・鶏もも・豚もも・牛もも)・内臓(鶏レバー・牛レバー)・野菜(にんじん・西洋かぼちゃ・ブロッコリー)のカルシウム・リン・水分(可食部100gあたり)
- WSAVA(世界小動物獣医師会)Global Nutrition Committee「Raw Meat Based Diets For Pets」 — 生食に市販食・加熱調理食を上回る健康上の利点の証拠がないこと、病原菌(サルモネラ等)の汚染リスク、骨による歯の破折・閉塞・便秘のリスク、手作り食(加熱・生とも)の栄養の過不足
- 米国獣医師会(AVMA)「Raw or undercooked animal-source protein in cat and dog diets」 — 犬猫への生または加熱不十分な動物由来タンパク質の給与を推奨しない方針(人と動物の健康リスク)
- Tufts University Cummings School 獣医栄養サービス「Cooking Up Trouble: Common Home Cooking Mistakes」(2019年1月29日) — 成長期・妊娠中・授乳中は栄養要求が高く許容誤差が狭いため、これらの時期の手作り食を強く推奨しないこと(本ツールが子犬・妊娠授乳中を計算対象外にする根拠)
- 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(2018年12月公表) — 手作りの食事は栄養素の不足が起こりやすく、栄養成分を計算した上で与えること(Q9)
出典の内容を確認した日: 2026年8月9日